‣法人口座と個人口座の違いってなに?
‣ 法人口座を開設するメリットは?
‣ 法人口座って開設した方がいいの?
海外FX業者には、個人トレーダーが開設できる一般の口座タイプに加えて、企業として開設する法人口座があります。
各FX業者の公式サイトを見ても、法人口座がどのような口座で、海外FXのトレードでどのようなメリットがあるのかについては、あまり詳しい情報が掲載されていません。
海外FXの初心者の段階では法人口座の開設は不要ですが、少しずつFXトレードに慣れてくるにしたがって、法人口座に関心を持つ方が多いようです。
本格的にFXトレードを行い、安定した収益を上げていこうと計画されている方にとっては法人口座の開設は魅力的なものですので、そのメリットを詳しく解説します。
個人のFXトレーダーが長期的な成功を目指すためには、どうしても法人口座の開設は避けては通れない道ですので、初心者の方も参考までにお読みください。 |
・海外FXの法人口座と個人向け口座の違い
・海外FXで法人口座を持つことのメリット
・法人口座を開設するための必要書類
海外FXの法人口座は個人向け口座とココが違う
海外FXには、個人トレーダーであれば誰でも開設することができる一般的な個人口座に加えて、法人向けに法人口座を提供している業者があります。
法人口座の開設を受け付けている海外FX業者の公式ウェブサイトには、法人口座の申し込み方法などが記載されているものの、開設によるメリットは書かれていません。
このため、法人口座に興味を持つものの、どのように活用すれば良いのか分からないという方が多いです。
実は、海外FXの法人口座と個人口座で出来ることには大きな違いはありません。
最低入金額やレバレッジ倍率などの海外FX業者が提示している条件は、法人口座と個人口座でほとんど違いがなく、使用するプラットフォームもMT4やMT5であることが大半です。
わざわざ法人口座の開設が可能であることを公式ウェブサイトで説明している海外FX業者であっても、その詳細について記載していない理由は、取引条件がほとんど同じだからなのです。
海外FX業者では、法人であっても個人であっても提供することは同じで、最大限の好条件を顧客に対して提供しています。
ですから、法人口座を開設した方が有利な条件でトレードができ、同じ取引を行っていても大きな収益が上げられるというわけではありませんので、誤解しないようにしてください。
海外FXで法人口座を開設することのメリット
海外FXの法人口座と個人口座では、ほとんど機能面や条件面での違いはないものの、現実的には法人口座を持つことによって大きなメリットがあります。
そのメリットとは、FXトレードそのものの環境や条件ではなく、トレードによって収益を上げた後の税金に関するものです。
海外FXで個人が取引をして利益を上げた場合、申告分離課税によって所得に対して累進課税が適用されます。
最大税率は住民税を合わせて55%ですので非常に重い課税です。
一方、法人税についても日本の税率は重いと言われますが税率は23.2%で、所得金額が800万円以下の部分には軽減税率が適用されますので、個人としての最大税率と比較すると決して高いものではありません。
さらに、法人で海外FXトレードを行う場合、個人よりも多くの経費が認められるため、課税対象となる所得そのものを減らすことができます。
具体的には、トレードのために購入したパソコンや参考書、セミナー参加費に加えて、家族を法人の役員にすることで役員報酬を支払って、法人の収益を減らすことが可能になります。
つまり、海外FXで収益を安定して上げることができるトレーダーにとっては、さらにFXトレードでの収益を増やしていくことだけでなく、少しでも節税することが重要な課題となり、法人で口座を持つことが解決策のひとつとなるのです。
海外FXの法人口座を持つための手続き
海外FXで収益を上げられるようになると法人口座を持とうと考える個人トレーダーが多いものの、実際に法人口座を開設しているトレーダーが少ないのは、手続きの煩雑さによるものです。
例えば、法人口座の開設を受け付けているAxiory(アキシオリー)の場合には以下のような書類の提出が求められます。
1.代表者の本人確認書類
2.代表者の住所確認書類
3.登記簿謄本のコピー
4.設立定款のコピー
5.株主名簿
6.法人の住所確認書類
7.取締役決定書
個人の口座開設では、上記のうち「1.代表者の本人確認書類」と「2.代表者の住所確認書類」の2点だけを提出することで手続きは完了します。
法人口座の場合には、登記簿謄本や定款、株主名簿、法人の住所確認書類、さらに取締役決定書が求められ、取締役全員の署名が必要になります。
ただし、一般的に投資会社として法人を利用して海外FXを行う場合には、代表取締役あるいは代表であるトレーダー1人のみの会社を設立しますので、取締役が複数名であるケースは少ないです。
これらの書類を用意することは決して難しくありませんが、税務処理を行うために税理士に依頼したり、書類を整えるために弁護士や司法書士を手配することなどの準備が必要で、個人口座と比較すると口座開設のハードルが高いことが分かります。
海外FXの法人口座を開設すべきでない方
ここまで海外FXの法人口座を開設することのメリットや、法人口座を開設するための申請書類などについて開設しましたが、全ての方が法人口座によってメリットを享受できるわけではありません。
まず、海外FXをはじめたばかりの初心者の方にとっては、法人口座を持つことのメリットはほとんどありません。
十分な収益が上げられていないのにも関わらず法人口座で取引を行うと、節税の効果がほとんど見当たらず、法人を維持するためのコストの方が高くなってしまいます。
また、会社にお勤めのサラリーマンの方のなかには、社員の規則として副業が禁止されているケースが多いです。
個人として海外FXでトレードをすることは投資活動ですので禁止の対象になっていることは珍しいですが、法人としてのトレードは副業と見なされる可能性が高いです。
海外FXだけで生活が維持できるようになれば会社のルールに縛られずに自由に動くことができますが、毎月の給料を失うことで生活に困る方は、法人設立や法人口座の開設はさけるべきです。
海外FXの法人口座を開設するべきかどうかは、トレード収益が年間300万円を上回った段階で検討しても遅くありません。
あまり焦って法人口座を開設することで、法人維持コストが負担になったり、勤務している会社との関係がマズくなるようなことがないように注意しましょう。
海外FXの法人口座に関する良くある質問
海外FXの法人口座について良くある質問を紹介します。
いいえ、海外FX業者では、日本国内にある法人であっても法人口座の開設申し込みを受け付けていますので、わざわざ海外法人を設立する必要はありません。
ただし、収益が大きくなってくると日本の法人税の負担が大きく感じるようになりますので、海外法人を設立して法人口座を開設することも検討に値します。しかし、ご自身が日本で生活されていてトレードを日本国内で行う場合、海外法人によって思うように節税メリットが得られるかどうかは不明です。詳しくは海外法人に詳しい税理士さんなどにご相談ください。